https://www.youtube.com/watch?v=8LVN7WVgx0c

Title: 論⽂のオープンアクセスとプレプリントに関する実態調査2022:オープンサイエンスにおける⽇本の現状

Abstract: 日本の研究者による論文とプレプリントの入手や公開の状況、および認識を明らかにするために、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は2022年7月から8月にかけて科学技術専門家ネットワークに所属する研究者1,671名を対象としてオンライン調査を実施した。有効回答は1,173名(回答率70.2%)であり、論文とプレプリントの入手や公開の実践状況については現在研究活動を行っている1,104名の回答を分析した。
研究に必要な論文を十分に入手できている研究者は42.0%であった。論文のオープンアクセス(OA)経験は83.3%が有しており、2020年に実施した調査から3.2ポイント増加していた。プレプリントの入手経験は67.3%(+15.2ポイント)、公開経験は29.5%(+9.1ポイント)であり、いずれも増加していた。
論文の主な公開手段はゴールドOA(OA誌への投稿)が77.0%、ハイブリッドOA(雑誌に追加の論文掲載料(APC)を支払う)が42.9%であった。論文の主な未公開理由は「資金がない」(54.7%)や「投稿したい雑誌がOAではない」(35.3%)であり、解消された場合の公開意思をもつ回答者は66.7%であった。
プレプリントは、入手・公開ともにarXiv、bioRxiv、ResearchGateがよく使われていた。主な未公開理由は「公開する必要性を感じない」(53.6%)や「最初に査読誌に投稿したい」(53.2%)といった認識であり、未公開理由が解消されたとしても公開意思をもつ回答者は28.3%に留まった。分野別では、2020年から継続して数学、物理学・天文学、計算機科学分野においてプレプリントの利用や公開が盛んであった。また、心理学分野の利用率や医学分野の公開率が増加していた。

DOI: https://doi.org/10.15108/rm327